
大人の社交場は、にんにくの香りから始まる
仕事を終えた平日の夜。恵比寿の街に灯りがともるころ、事務所パートナーの税理士、そして大切な顧問先のお医者様と3人で、「にんにくや」を訪れました。
弁護士、税理士、医師──それぞれの分野で責任を背負う立場の三人。
こういう会食の場は、単なる食事ではなく、「心の余白」を取り戻すための、大人の社交場です。

にんにくの専門店と聞けば、パンチが効いていますが、実際は、香りと旨味のバランスを熟知した「大人のためのレストラン」でした。
序盤の戦略:香りの「証拠」と揚げ物の快感
豆腐とにんにくチップスのサラダ

まずは胃を整えるためのサラダ。
ワカメとにんにくチップの組み合わせが、後の脂ものへの理想的な準備運動となります。
🍞ガーリックトースト

そして、この店の流儀を教える名物のガーリックトースト。
こんがり焼いたバゲットに、濃厚なガーリックペーストがたっぷり。
噛むたびに、バターとにんにくの香りが広がり、これだけでワインが恋しくなります。
続いたのは、揚げ物の二景です。
🧄にんにくの丸揚げ

丸ごと揚げたにんにくは、外はカリッと、中はホクホク。
熱と香りが一気に広がり、理屈抜きでうまい。
これが、一番美味いと宣った者もいるとか。
🍟ガーリックフライドポテト

油と塩と香ばしさのトリオが完璧に整っています。
🐯弁護士佐藤嘉寅(とら先生)の視点
弁護士的に言えば、「序盤で香りの証拠を提示し、後半で旨味の主尋問に入る」という、理想的な流れです(笑)。
この段階で机の上は、もう「香りの証拠物件」で埋まっていました。
核心の追求:シュリンプ、ホルモンそしてエスカルゴ
料理の流れは、香味の主張が徐々に強まる、緻密な構成でした。
🍤ガーリックシュリンプ

ぷりぷりの大ぶりな海老を、
にんにくバターで炒めたガーリックシュリンプ。
香りの立ち方が絶妙で、
思わず無言になるほどの美味しさ。
このあたりから、テーブルに一体感が生まれます。
🥩和牛ホルモンのにんにく辛味ダレ

和牛ホルモンの脂が踊り、白髪ねぎと唐辛子が香ばしく調和。濃厚ながら後味が軽やかで、白髪ねぎの辛みが次の一口を呼び込みます。
🐯弁護士佐藤嘉寅(とら先生)の視点
このホルモンは、「主尋問で核心に踏み込んだ瞬間の快感」に似ています。
一口ごとに理屈じゃなく納得させられる証拠力があります。
🐌 エスカルゴの香草バター焼き

さらに、エスカルゴも追加。熱々の陶器皿から漂う、バターとガーリック、香草の三重奏。パンにソースを吸わせて頬張る瞬間、大人の夜にふさわしい、静かな余韻が生まれます。「にんにくの香りが証人です」と胸を張って言える夜でした。
締めくくりの「論理」:魚の繊細さとパスタの説得力
終盤の締めくくりも、この店の哲学が貫かれています。
🐟 イトヨリダイのガーリックグリル

皮は香ばしくパリッと、身はしっとり。
にんにくソースが主張しながらも、魚の繊細な旨味をきちんと尊重している。主張と立証のバランスが完璧です。
🍝 王道のペペロンチーノ

シンプルながら主役級。
にんにくの香りがオイルに完全に溶け込み、口に入れた瞬間、思わず目を閉じるほどの説得力。
「余計な言葉を使わず、本質だけで人を納得させる」
──まるで良い弁論のように、職人の矜持を感じます。
🍷結びに:心の整理と明日への活力
この夜、仕事の話はそこそこに、健康のこと、趣味の話、そして「最近うまかった店」の話で、笑い声が絶えない時間になっていました。
弁護士、税理士、医師。
それぞれの分野で責任を背負う立場だからこそ、こういう時間が「心の余白」になるのだと思います。
味、インパクトとともに、最高です。
飲み放題コース4500円に、料理を何品か追加して、一人6500円ほど。
コスパも、あり得ないぐらい良いです。
しかし、翌日は、一日中、にんにく臭に悩まされることになります。
ただ、それでも、それが妙に心地よく感じるのは、きっと「良い時間を過ごした証拠」なんですよね。
2025年、絶対のおすすめ店ができました。
トラログ 3.96
東京・神田で弁護士法人を経営する傍ら、日々の仕事で得る「理」とは対極にある「情」と「美」を求めてブログを立ち上げました。
このブログでは、法律という記録の仕事から離れた、一人の男の"余談"と"趣味の覚書"(食、旅、写真)を綴ります。

