
🕯️ 横浜、大桟橋。紳士淑女が集う「時の重み」
小雨が煙る横浜の地、大桟橋の近く。レストランスカンディヤの柔らかな照明が、その存在感を静かに主張していました。
1階はランチ利用、そして今宵の我々が利用するのは2階のディナーフロアです。

店内に足を踏み入れた瞬間、その重厚感に思わず「おおっ、これは凄い!」と内心で呟きました。
中世貴族の邸宅を思わせる木彫りのレリーフや装飾が見事なチェストが並び、店内全体に、時間の経過と確固たる伝統の気配が満ちています。現代の喧騒から切り離された、一種の「社交場としての結界」が張られているようです。
この素晴らしい場所を紹介してくれたのは、2か月に一度開催している法政大学出身の弁護士の集まり「法政会」の幹事、横浜で弁護士をしている原田満先生でした。

北欧(デンマークやスウェーデン)の料理を供するこの店で、まずはシャンパンで乾杯。周囲の客層も年齢層が高く、落ち着いた雰囲気です。まさに大人がルールをわきまえて利用すべき、紳士淑女の社交場だと感じました。
🥂 スモーガスボードという「開廷」

料理はスカンディヤの名物、スモーガスボードからスタートします。
「前菜です」と店員さんは言いますが、これはもはや単なる前菜の範疇を超え、フルコースの開廷と呼ぶべき充実度です。様々な料理がビュッフェ形式で供され、その見た目の華やかさと豊富な構成に圧倒されます。
弁護士の仕事でいう「証拠」のように、一つ一つの料理が確かな存在感を主張しています。
キャビア
真ん中に鎮座する黒い真珠。薄く切ったパンにのせて食すという行為は、日常の厳しさから解放された贅沢を象徴しています。
ニシンの酢漬け
酢締めのバランスが秀逸。ニシン特有の癖を、肉厚な食感とほど良い酸味が相殺し、「これは美味い」と理屈抜きで納得させられます。
栄螺の壺焼き
肝のほどよい苦みが、一連の前菜に奥行きを与えます。
その他の逸品
白身魚のカルパッチョ、海老のアメリカーナソース、ホタテの包み焼など、すべてが高水準で、すでにこの段階で非常に満足感が高い。
🥣 さつまいものスープ――熱の伝え方

スモーガスボードで冷たい前菜を堪能した後に供されたのが、さつまいものスープでした。
優しい味わいでありながら、塩味が効いていて、味わいの構成がはっきりとしているのが特徴です。そして、何より熱々。肌寒い横浜の夜でしたから、この温度がたまらない。
寒い北欧の地で、スープを熱々で供するのは、体を芯から温めるための環境に適応した「当然の論理」なのだろう。その文化と合理性に思いを馳せます。
🥩 牛ヒレ肉とフォアグラのロッシーニ――和解点を探る

メイン料理は、牛ヒレ肉とフォアグラのロッシーニです。
フォアグラという、こってりとした個性と、ヒレ肉の確かな旨味を、どう調和させるか。フォアグラを乗せて食すと、得も言われぬ味わいとなります。
ここに添えられた細かく刻まれた野菜のローストが、非常に甘く美味しい。この甘さが、ヒレ肉とフォアグラの濃厚な「主張」に対する、清涼な「和解点」として機能しているのです。味も量も、大満足すぎるほどの完成度でした。
🍨 最後に――大人の記念日にふさわしい一軒

食後はピスタチオのアイスとコーヒーあるいは紅茶で締め。ピスタチオの食感が楽しいですね。
スカンディヤの料理は、すべてが高水準でまとまっており、日本人にも食べやすいよう洗練されています。この店の真価は、料理の美味しさだけでなく、「大人たちが静かに語らい、時間を共有する」という空間の価値にあるでしょう。
若い人が騒ぐような店ではありません。記念日や、私たちのようなプロフェッショナルが互いの労をねぎらう場として、最高の選択です。
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東京・神田で弁護士法人を経営する傍ら、日々の仕事で得る「理」とは対極にある「情」と「美」を求めてブログを立ち上げました。
このブログでは、法律という記録の仕事から離れた、一人の男の"余談"と"趣味の覚書"(食、旅、写真)を綴ります。


