3月29日。春の季節は変わりやすい。
日曜日、貴重な快晴。
そして、桜は見ごろを迎えている。

このチャンスは、生かすほかない。

まだ少しだけ冷たい空気の中、足を運んだのは市ヶ谷の外濠。
市ヶ谷駅を降りて、外濠公園を歩き、飯田橋駅に向かう。

✨ 都市のフレームと並んで咲く桜

見上げれば、枝いっぱいに広がる白い花。
光を受けて、やわらかく、静かに揺れている。

その下を歩いていると、自然と歩く速度が落ちる。
急ぐ理由は特にないのに、どこか急いでしまう日常とは違って、ここでは、少しだけ時間の流れが緩んでいる。

水面に目をやると、街がそのまま映り込んでいる。
ビルも、線路も、空も、そして桜も。

都会の風景と春が、無理なく同じ場所に収まっている。

外濠の魅力は、ただ桜があることではない。
都市と並んで咲いていることにある。

🌸 母校の法政大学、30年以上前の思い出

市ヶ谷から飯田橋へ。
その途中に、法政大学がある。

母校だ。

当時の面影はまったくない近代的な校舎ではあるが、
30年以上前、この桜の木の下で、新歓コンパに参加して、
他愛もない話をして、ただ楽しい時間を過ごしていたことを思い出す。

あの頃は、桜をこんなふうに見ていなかった気がする。
咲いていることは知っていても、
立ち止まって見上げることは、ほとんどなかった。

ビルの隙間から差し込む春の光が、
花びらの一枚一枚を透かして、ほんの少しだけ輪郭を曖昧にする。

その曖昧さが、どこか心地いい。

🧭 日常と桜のちょうどいい魅力

やがて、電車が通り過ぎる。
規則正しい音とともに、日常が流れていく。

そのすぐ横で、桜は何も変わらず、ただそこにある。

急ぐ人、働く人、通り過ぎる時間。
それらすべてを横目に、
春だけが、少しだけゆっくりと進んでいる。

外濠の桜は、特別に華やかなわけではない。

けれど、どこかちょうどいい。

肩の力を抜いてくれるような距離感で、
毎年変わらず、ここにある。

都市の中で、ほんの少しだけ呼吸を整える場所。
そんな時間が、ここにはある。

このあと、千鳥ヶ淵に向かう。
春を辿る一日は、まだ始まったばかりだ。

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